2025年10月4日土曜日

中村哲さんのこと

一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。

新約聖書 ヨハネによる福音書  12章 24節

私の尊敬する人の一人は中村哲さんです。中村哲さんがアフガニスタンで凶弾に倒れ、もうすぐ6年になります。長年、特に用水路建設では陣頭に立ち、かの地で人道支援に尽力されたことは皆さんの知るところです。

中村哲さんは登山隊の帯同医師として険しい山岳地帯に赴きますが、貧しい山麓の村に医師はなく、村人が医療と薬を求めて押し寄せたと聞きます。その様子は病を癒してもらおうとイエスさまに群がる人々を連想させます。

中村哲さんはありったけの薬を村に置きたかったでしょうが、登山隊の健康管理を任務とすれば村人に為す術もなく、どんなに悔しい思いをされたかと想像します。

中村哲さんは医療が十分に届かない地での現実を前に 病をなくすには、まずきれいな水だ、と用水路整備を始めたのです。安全な地ならいざ知らず、武装集団の活動のおそれがある地で身を守る一番の武器は無武装である、と中村哲さんは常に丸腰で活動に臨み、しかし最後には凶弾に倒れました。

イエスさまは、旅に出る弟子に、何も持って行ってはならないと諭し宣教に遣わし、そして遂には私たちの罪のために十字架にかかりました。しかし、その後に復活の希望がありました。

中村哲さんは召されましたが、蒔いた種は着実に多くの実を結びその意志はアフガニスタンの人々に引き継がれ、活動は今も継続しています。イエスさまの教えそのままを、私は中村哲さんに見ます。

イエスさまは今も生きて働いておられ、私たちも、平和の種をまき朽ちることなく広がるように、神さまのご用のために遣わされた場で生かされるよう祈ります。

(E.I. 60代)