隣人を裁くあなたは、いったい何者なのですか。
新約聖書 ヤコブの手紙 4章12節
ヤコブ4章12節に、「隣人を裁くあなたは、いったい何者なのですか」とあります。この言葉の前には「裁きを行う方は、おひとりだけです」ともあります。つまり、本当に裁くことのできる方は神のみであり、人間は誰も人を裁けないのだと言ってるのです。
会社の後輩が1年間にわたり違法なパワハラを上司から受けました。やがて後輩は心療内科に通うようになり、うつ病になるのではないかと心配する程でした。見るに見かねた私は文書をもって上司と会社を告発しました。その結果上司は処分を受け、公式謝罪と減給処分を受けました。腹立たしいのはそれからです。パワハラをした上司と、彼に加担していた仲間はそれで罪をつぐなったかのように一斉に口を閉じ、まるでパワハラなどなかったかのように振る舞い始めたのです。私の心に、深く深く彼らを裁く思いが根付きました。彼らを赦せませんでした。
しかし今、長い時間が経ってみて思い浮かぶのは表記の聖書の言葉なのです。他人を裁くお前はいったい何者だ! そう問われた時、私の中に答えがないのです。そうです。私もまた彼らと同じように自分の罪を、まるでなかったかのように振る舞っているのではないかと、この聖句によって思わされるのです。
(M.I. 60代)
