2022年4月10日日曜日

汝らは地の塩なり

汝らは地の塩なり、塩もし効力を失わば、何をもてか之に塩すべき。

新約聖書 マタイによる福音書 5章 13節

この聖句に私が初めて出会い、清冽な印象と共に心の中に住み着いてしまったのは私が東洋英和女学院の中学部に入学し、入学式の日にこの聖句が長野彌院長先生のお話の中で語られた時のことでした。

丁度中学生になり、学校も、一緒に過ごしたお友達も変わり、初めて電車に乗って通学するようになるなどで、かなりピリッとした気持ちで居たのでしょう。

生徒たちに〝長ポン先生“と呼ばれていた長野先生がこの聖句のお話を語られた時、その場で先生のお話を完全に理解したとは思えませんが、何かハッとしたような、私たち一人一人が生まれて来て、生きて行くということは、それぞれは大海の中の一滴であっても、かけがえのない事なのだ、目の前の事に対処するだけでなく、物事の本質をきちんと捉えて自分の中に取り入れて行かなければならないのだ、というような、一日一日を生きて行くことへの神から与えられた責任のようなものを、薄っすらとではあれ生まれて初めて感じたという鮮烈な印象があります。

長い人生の歩みの中で、いろいろな先達方から、心に残るいろいろな言葉を伺いましたが、あの中学生になった時の、初めて、視点を遠くに合わせて物を考えるきっかけとなった思い出は、いまだに私にとって大切な宝となっています。 

(H.O. 70代)