2026年6月20日土曜日

朝ドラの力・福音の力

十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わたしたち救われる者には神の力です。

新約聖書 コリントの信徒への手紙一 1章 18節

NHK連続テレビ小説(通称「朝ドラ」)のファンで、最新のものと旧作の再放送を夫婦でよく見ます。昨年再放映された『カーネーション』の主人公(役名=小原糸子)のモデルは、ファッションデザイナーであるコシノ三姉妹の母親で、その晩年を夏木マリが好演しています。活気あふれるドラマの中で、以下の場面が特に印象深いです。

自分が通院する大阪・岸和田の病院から糸子は、患者を楽しませるために企画中の看護師ファッションショーを助けてくれないかと相談されます。興味を抱いた糸子は、看護師だけでなく患者もショーに出演させてはと持ち掛けますが、患者が体調をくずしては大変と看護師長は申し出を断固拒否します。そこで糸子は、次のように話して彼女を説得するのです。

「おたくらは医療の力信じて毎日仕事してはるやろ。うちは洋服の力信じて仕事してきましたんや。洋服には、もの凄い力があるんですわ。ほんまにええ服には人を慰めることも、勇気づけることも、元気づけることもでける。うちは自分の洋服でおたくらの力になりたいだけや。患者さんにええ服着て、ライト浴びて歩いてほしい。それをほかの患者さんらに見てほしい。医療と何の関係もないと思うかもしれへん。けど、ほんなことが人に与える力を、うちはよう知ってるんですわ。半分、いや三分の一、いや一人でもええわ。希望する患者さんを参加させちゃってください。このとおりや(と糸子が深々と頭を下げるところにエンディングテーマが流れ、<つづく>のテロップが出る)」。

糸子の堂々たる“演説”を聴きながら私は、クリスチャンは何の力を信じて生きているのだろうと思いました。それは、冒頭に記した「十字架の言葉」ではないでしょうか。子供用のリビングバイブルではこの聖書個所を次のように訳しています。「『イエス様は私たちを救うために死んでくださった』ということばが、滅びゆく人々にはどんなに愚かに響くか、私(=伝道師パウロ)にはよくわかっています。しかし、救われた私たちは、これが神の力そのものであると認めるのです。」

糸子が「洋服」の伝道師なら、クリスチャンは「十字架の言葉」の伝道師です。その伝道が力を発揮するには、「十字架の言葉」に神の力があることを体験的に知り、心底それに信頼している者として語る必要があります。上に引用した朝ドラの一場面が改めてこのことに気づかせてくれました。

(H.M. 70代前半)